
仔犬のすてっぷ
第20章 奈落のなかで・・・(Hシーンあり〼)
「……いま、アンタ・・・」
「・・・・・・?」
汗にまみれて、イク寸前だったであろう明美が、狂鬼じみた眼を僕に向けで睨みつけてきた。
「あいつの名前・・・よりにもよって、サチじゃなく、あのスカした男の名前・・・??」
・・・・・・え?
な、なに?
ワナワナと震えながら明美さんは、ガシッ!と僕の両肩を掴んで叫んだ。
「イク寸前で、男の名前を呼ぶなんて、アンタ、一体何があった?!
あ、あいつと・・・あの野郎と・・・なんか、あったのかあっ!?」
・・・・・・あ。
あ、あれ?なに??なんで、怒ってる?
あ。もしかして・・・無意識になった時に……
蒼空の名前、呼んじゃった?(汗)
「答えろ!優希っ!!あのガキと、オマエ……まさかあ!!」
「………え、え〜っと・・・話せば…長くなるん……ですが・・・(汗)」
思わず赤面しながら・・・モゾモゾと話す僕を見た明美さんの……ついさっきまで高揚して赤かった顔が・・・
さ〜〜〜〜〜〜っ……と一気に血の気が引いた。
「・・・簡単にまとめると、ちょっとばかり犯されちゃいまして☆」
「い・・・いぎぃやあああああああ〜〜!!!」
半狂乱になった明美さんが、長い髪の毛をぶわぶわと振り乱し、頭を抱えて叫び声を挙げた。
「わっ…わたしの…わたしの………わたしの優希が、オトコに…オ・ト・コにぃ、犯さぁれたあぁ???」
「・・・あ、まだ、後ろには入られてませんけど。
まあ、半分は同意の上でって…感じなんで、正確には犯されたのとは少しちが・・・」
「やめろお!それ以上、言うなあ!!」
ばんばんとベッドの上にある枕を叩きながら、更に明美は叫んだ。
「…アンタぁ……アンタ、同意とかなんとか言ったが、アイツを愛してるって事なのかぁ?!」
う〜ん……ホントにこの人は両極端なんだなぁ。
仕方が無い・・・。
「あ…愛って・・・そんな…に、簡単なものじゃ、無いと思うんですよね〜……な〜んて♡」
「うぎゃああああああああぁ〜〜!!!」
明美さんは枕に頭を何度も叩きつけ、さらに乱れた。
