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仔犬のすてっぷ

第4章 攻防戦?!



・・・3日後。


 すっかり元通りになった部屋に、僕は帰って来ていた。

 カーテンは柄が変わり、壊れたモノなんかは色々変わってしまったが、元通りと同じ生活環境になったと言えるだろう。


「淡海ちゃん、ごめんね~」

 彼女は僕がビジネスホテル生活での丸3日、おにぎりやサンドイッチやハンバーガーな食生活を送っていたのを心配し、ご飯を作りに来てくれた。
…正直、彼女の心遣いが有り難い。


ウチの親は

『ほんなもん、気持ち1つで何とでもなるやろ?いちいち世話焼きになんぞ、行けやんわあ』

の、言葉1つで電話、切っちゃう始末で。

 まあ、確かに死ぬ事は無いから…そうなのかもしれないが、もうちょっと……ねぇ?(泣)



ああ、淡海様ぁ☆
ありがたや、有り難や・・・



「……何?してるの?」

 小鉢に、中皿など、お浸しやら魚のムニエルやらが盛り付けられたものを目の前に並べながら、淡海ちゃんが僕を覗き込んだ。


「いやあ…なんか、こうゆうの、久しぶりでさぁ…めっちゃ嬉しい♪」

 温かいだけの物なら、コンビニで買うサンドイッチやおにぎりだってレンチンすればそうなるんだが…
〈手作りの暖かさ〉は、味わえ無いからなぁ…(しみじみ…)


「見た目は悪くなっちゃうけど、スプーンで食べられるようにカットしておくからね」


お、お心遣い、感謝しますっ(感涙っ!)



「なんか、優ちゃんってば、本当に嬉しそうで…私もなんかうれしくなっちゃうなぁ」

いや、本当に嬉しいんです。
ついさっきだって、貴方様の後ろ姿に手を合わせておりました〜。



「……なんなら、食べさせてあげよっか?」



・・・え?マジっすか?!



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