
仔犬のすてっぷ
第5章 他人と自分と
「お、おぉ〜…」
『たかがゲームだろ?いいじゃん、別に』
の一言に押され、さらにパソコンの前に陣取り、ゲームデータまで物質(←物を人質代わりに取られるの意味)にされ…
渋々ゲームの使用許可を出すハメになってしまった……。
しかし、考えてみれば、蒼空の言う通り、たかがゲーム。
イケメン失墜の危機にはならない……だろう、多分、きっと………(汗)
「ホント、すげー!こんなに綺麗な絵が、声出して喋るなんて…知らんかった」
今の所は、単純に技術的なものに感心し、そちらに関心があるようだけど。
「今はスマホゲームの方がずっと進んでいるよ。まあ、ギガ数喰うから僕はそっちはやらないけど」
「へえ〜…。俺はあんまスマホ触らないからなあ。使うのは電話かマップがメインで、後はたまにアニメ見るのに使う位だ」
「蒼空…アニメ、見るタイプなんだ?」
「商売柄、見なきゃならない場合があるんだけどよ。ガ○ダムやらプリ▽ュアシリーズはなかなか面白いと思うぜ?」
し、商売柄??
……ボーイズ・バーとアニメにどんな関係があるんだろ?(汗)
などと考えているうちに、蒼空はキャラ選択画面をクリックし。
「……この、舞菜ってキャラ……アンタに似てないか?」
確かに…髪の色、長さを変えれば、似ていなくもない。
と、いうか…小学の頃はこんな、黒髪のボブヘアだった………。
「……あり?このキャラだけ、途中までしか遊んで無いじゃん?なんで?」
「……気にする程の事じゃない。蒼空と知り合った頃からゲーム中断してて、代わりに育成ゲーム始めちゃったからさ」
安ちゃんが、インカムで、職場の女性同僚達から罵声罵倒を浴びて、半分トラウマになってしまった(笑)あのゲーム。
あれを始めてしまったため、その前まで遊んでいたこのゲームはそこで止まったままになっている。
・・・ということになっている………。
