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仔犬のすてっぷ

第6章 優希の経験



 僕がこのキャラ「舞菜」を遊ばない理由・・・
それは、このキャラが僕に似ているからというだけではなく、エッチされる“カタチ”が僕が体験した事に酷似した内容だったからだ。


……そう。ホントは舞菜もちゃんとプレイしていると言う訳。

実は1番初めは舞菜を選択し、セーブは途中に行って、その後はノンセーブでプレイ。
……結果はセーブしていないので、クリア特典の映像が見れない、という訳だ。



 ゲームでは、舞菜が三人の妖魔につかまり、イタズラされて……魔力を奪われ絶体絶命のピンチに陥る。

 僕の体験したのは・・・






 ーーー僕が小学5年だった、あの頃。
夏休みが始まってすぐだった。


 すでに夏休みの宿題のメイン〈夏休みの友〉を、天気記入欄以外終わらせた僕は、余裕をもって遊び回っていた。

それというのも、母に
「宿題を早く終わらせたら何をして遊んでも文句は言わない」
と、約束を受けたからで。

(読書感想文は、指定書籍が回って来なきゃ書けないし、自由研究は、後は書いた文に写真が現像されたら、貼り付けるだけだし…工作さえ終われば、もう、遊びたい放題だあ!)

 学校の水泳教室は憂鬱だけど、30分我慢すれば、後は自由にプールで遊べるから、まあ、良しとしよう。

……そんな感じに、ウキウキしながら学校へ向かう途中。


「「「ゆ〜う〜ちゃ〜ん♡」」」

 桜南中学のグラウンドから、数人の女子中学生達がコチラに声を掛けてくる。
集団登下校中は手を振るくらいだけど、一人の時はこうやってみんなが声をかけてくれていた。


「暑いけど、ちゃんと水分摂ってる〜?」「ほら、コレで汗拭いて♡」「いつも元気だね〜」「や〜ん♡やっぱ、かわいい〜♡♡」

 きゃいきゃい言いながら、いつも声をかけてくれるお姉さん達。
初めの頃は戸惑っていたけど、みんな優しくて……
それが日常になっていた。




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