
仔犬のすてっぷ
第7章 過去と今と…
…どかどかどかっ、ばむっ!!
けたたましい足音と、激しくドアを開く音が、事務所への森川店長の襲来を知らせてくる。
「林原の寝顔写真、見せてくれ」
…て、てんちょお……(泣)
そんなものわ、そんざいしておりませんです……
「……なんだ?デマか。つまらん」
……ホントだったら、その写真、どーするつもりなんですかぁ?
「鍵の一件があるからな。案外、蒼空…だっけ?アイツ、お前の写真撮ってるかもしれんぞ?」
森川店長は、店長専用椅子にどかっ!と座ると、それと同時に、経理の田中さんが現れ、「どうぞ」と差し出されたブラックコーヒーを美味そうに飲んだ。
「…寝顔はどうか分かりませんが、普通の写真なら、こないだスマホで撮って…」
「ソレでいい。林原のが1枚、ちょっと欲しくてな」
・・・?なんで?何に使うんだろ??
「写真なら、今、スマホで撮って、ココのパソコンで……」
「馬鹿だな。アイツが撮った写真だから意味があるんじゃないか」
「え〜…おっしゃる意味がよく分かりませんが(汗)」
「お前に気のある奴が撮ったブツなら、かなり良い出来のブツが出来てるに決まってるだろ?」
けたけたと笑いながらそう言うと、森川店長は、僕の肩をばんばん叩いた。
・・・あの〜〜…店長さま?
わたくし、おはなしにまったくついていけません……(汗)
「冗談だ。だが、ちょっと使うかもしれんのでな?1枚、撮らせてもらうぞ?」
そう言うと、スマホのカメラでいきなりパシャリと撮影される。
「……林原…も、少し愛想のいい顔は出来んのか?」
んな、いきなり撮られたら…笑顔を作る暇も無かったですし……(汗)
「ま、そんな訳だ。もう、ホールに戻っていいぞ」
……結局、何なのか…写真を何に使うのかも分からないまま、僕は追い出される様に事務所を出た。
・・・なんなんだ?一体・・・(汗)
