
仔犬のすてっぷ
第8章 お出かけ♪
………う〜ん…。
何だろう?なんか……視線を感じる。
「どひた?優希」
タコ焼きを旨そうに頬張りながら、蒼空がコチラにタコ焼きを差出して言った。
「いや…なんか……周りが、こっち見てない?はむっ」
いや、多分、きっと、そうだ。
僕達は、何気に目立っている。
……あつ…タコ焼き出来たては、熱くて旨い♪
「ほんぐなの、俺達二人であむっ…なはほふ(仲良く)もご…あひ……ゴクゴクっ【←ノンアルコールビールを飲む音】こうしてタコ焼き喰ってるからじゃねえの?ほれ」
「んぐんぐ…ふぅ☆【←コーラを飲む音】いや、だからさぁ…あんむ☆はひはぅ……まふ、ふぁふぁひふを(まず、まわりを)んぐ…見てごらんよ。こんな事してる野郎二人組なんて……」
なんとなく、人前で食べさせてもらってはしたないかな?とは思ってはいたけれど、さらりと
「はい、あ〜ん☆」
と、楊枝に刺さったタコ焼きを差し出され、なんの抵抗も無くそれを咥えた僕。
こないだ右肘を怪我した時に、嫌々ながらも蒼空に食べさせてもらっていた時の癖か、条件反射か……
なんか、当たり前になってたのか……
視線を感じるまで、考えもしていなかった(汗)
「こんなん、嵐とかキスマエとか、カトゥーンとか…ジャニーさんとこの連中が、TVでふつーにやってんじゃん?」
「彼らはそういう特殊部隊の人達だから、仕事でやってるからね……ああ、美味しかった♪」
「と、とくしゅぶたい……
あはははっ、違いない。面白いコト言うな、優希は」
空になったプラトレイを、開かないように輪ゴムで止めながら蒼空は笑った。
だけど、僕らは一般人な訳で。
無許可で他人撮るのはやめて欲しい。
何気にスマホ向けてた人もいたからなぁ……そんなもの(写真)、どうすんの??
「まあ、やましい事してた訳じゃないし、気にしなくてもいいんじゃね?
それよか、あんだけじゃ足りね〜。次はカレーでも食うかな?」
「その意見には、賛成♪だけど、僕はラーメン食べたいかな?」
そんな訳で、僕らは別々に店に並び・・・
