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仔犬のすてっぷ

第9章 僕等と一緒に



 何ラーメン、食べようか?

基本、僕は麺類が大好きで。
うどん、お蕎麦に、素麺、冷麦にフォー、パスタ……色々あるけれど。


やっぱり1番はラーメンだよね〜♬
メニューは……っと。

僕は売店の、カウンターの上にあるメニューを見ようとした。その時……


「え〜?!冷やし中華売り切れぇ?!」

僕の並ぶ列の…僕の前の女性が、素っ頓狂な声を上げた。


「ここのレタスサラダ中華が、めっちゃ美味しいからここに並んだのに、それは無いよ〜!」


 誰か仲間と並んでいて、仲間同士で会話している訳じゃなく、ただ、独りで声を上げ叫んでいる。

(・・・あまり関わりたくないな)

 見た目、僕より背も高く、蒼空の背丈に近い。こんな人と並んで話をしていたら、僕は余計小さく見えてしまうだろうし、また目立ちそうだ……。

触らぬ神に祟りなし。

しかし…
窓口のお姉さんが、「次の方どうぞ〜」と声を掛けているが、彼女は目的のものが無い事で自分の世界に入ってしまい、聞こえていないらしく……

・・・仕方無いなぁ(*ため息*)



「あの〜…お姉さん?順番が回って…」

「仕方無い……台湾まぜそば、サラダセットで手を………え?なに??」

 頭を抱えていた彼女が、我に帰ってこちらを見る。

 なかなかの美人さんなのに、目に涙まで溜めて悩んでいたなんて…(汗)
どっかの誰かさんみたいな勿体無いが、ここにもいた、とか思ってしまう。


「順番。来てますけど?」

「あ、ああ〜…ごめん☆
私、また自分の世界に入っちゃってた」

はい。ソレは見てれば分かります(苦笑)


「いいよ。待たせちゃったし、お先にどうぞ☆」

え?あなたもう、注文決まってるんだから順番通りでいいじゃん。


「あ、いや、僕はまだ何頼むか決めてないし、順番通り、貴女からどうぞ」

僕がそう言うと、彼女は顔を僕に近付けてから、にっこり笑いながら


「なかなかしっかりした子だね。偉いぞ、ボク?」

と言いながら僕の頭を撫で撫でする。

・・・子供じゃないんですが(怒)

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