
仔犬のすてっぷ
第10章 JAZZと夢と、その裏に
「…さあ、今日は」
流れるプールに、浮き輪を浮かべ、僕はまったりとそれに身を委ねて浮かぶ
蒼空は、その浮き輪に手をかけて立ち泳ぎしながら、一緒に流れる。
里美さんと結さんは、大きな浮き輪一つの中に二人で入り、仲良く流されていく。
「思いっきり…」
トルネードスライダーに目を回した僕は、蒼空に抱きかかえられてプールから上がり、それを結さんは赤い顔、里美さんは苦笑いしながら見守っている。
「遊びまくるぜーっ!!」
プールから上がった僕達は、着替えてから遊園地コーナーへ戻った。
女性二人と一緒にメリーゴーラウンドに乗り、その後、コーヒーカップに乗り換えした。
蒼空が必要以上にハンドルを回転させたので僕はまた目を回し、蒼空が手を合わせて僕に謝る。
そんな光景を彼女達は笑って見ていた。
「・・・幽霊屋敷?」
「そ、キミたちも一緒にどう?たのしそうじゃん?
結もキミたちと一緒なら入るって言ってるし…どうかな?」
幽霊屋敷かぁ…。
「ん?いいよ。付き合うよ。
ね?蒼空……ん?どうしたの?」
「・・・いや…なんでも……ない」
なんか、あらぬ方向を見ながら言う蒼空に
違和感を感じた僕は
「怖いの?」
と聞いてみる。
「い、いや、ははっ★な、何言って……」
・・・コレはっ!
僕だけでなく、里美さんも彼の異変に気が付いたようで…
二人で目配せして、ニヤリと嘲笑う。
コレは………
滅多に見られないモノが見られる…かも?
