ぼんやりお姉さんと狼少年
第8章 病み上がりにDカップ*
「……なんていうか、凄い」
彼の視線はじっとそこに注がれている。
「変?」
「綺麗過ぎて目が潰れそう……触れていい」
熱に浮かされたみたいに呟く琥牙にはダメだよ、そう言う拒絶の言葉も耳に入らない。
手を伸ばして私の形に沿って、礼儀正しく触れてくる。
「柔らかい。 真弥はどこも柔らかいけど胸は特に」
するすると滑らかに移動する琥牙の手。
きつく揉まれたりはしない代わりに指先と手のひらが丁寧に感触を確かめてきて、顔が熱くなる。
「……っ……」
そしてややのちに揃えた指先が中心へと近付いてきた。
後ろに下がれば避けられる筈なのに、私はその場を動けない。
「濃いピンク色に変わってるここ、腫れてるみたいで凄くやらしいね」
指の背で触れながら胸先を軽く押され、体がビクンと反応した。
そんな私の顔をちょっと見て、琥牙が再びゆっくりと目線を下げる。
「琥……や、そこ」
「……ツンってしてる先っぽとか」
丸みを下から上へとそっと掬い上げ離れた乳房が揺れる。
上下に弾けて胸の先がぶれて零れた際、琥牙の指を掠った。
「ンっ…!」
思わず目を瞑って声に出してしまった私に彼がもう半歩前へと進み出る。
そんなに見ないで欲しいと思う。
けれど私は琥牙がどうやって私を愛しているのかを見たい。
私をおかしくさせる彼の器官を。
器用に動く指先や薄い爪。
滑らかな手の甲。
私より大きな手のひら。
既に男の形を成してる骨の節。