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え、ちょっと待って、なんで私が勇者なの!?

第5章 勇者光邦

革製の仮面を頭に被り、上半身裸のゴリゴリマッチョの男だ。

「おお、副大臣さんじゃないか。俺になんかようかい?」

「力比べを試すのに、力を貸してくれないかね」

「おう、副大臣さんの頼みじゃ断れないやぁ。どんな力比べだい?」

「あの方と……」とチョットが示したところには、ノーメークの光邦。

男は不思議そうな顔を見せる。

「チョットさん、俺は力じゃ国一番だぜ。あんなヒョロッとした兄さん相手になにをすりゃいいんだ?」

「いやぁ、お力をお借りしたいだけですよ」

チョットが連れてきた男を見て、光邦の表情が強張る。

「凄いマッチョが来たわね。でも私の好みじゃないわぁ……」

チョットは男を紹介するために連れてきたわけではない。

あくまで力比べの相手だ。

チョットは、連れてきた男を紹介する。

「この方は、食料品を売買されてはるイワハシさんといいます。光邦、この方と力比べをお願いします」

「え、この人? 無理よ、体が違いすぎるじゃない」

「まあ、胸を借りるつもりで」

光邦とイワハシが並ぶと、三倍近い体格差があった。

「ねぇ、なにをすればいいのよ」

「この方には、もう伝えております。地球の日本にある相撲をしましょう」

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