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え、ちょっと待って、なんで私が勇者なの!?

第6章 トリセンナシ国

光邦はもう一つの扉を開けると、思わず洩らしてしまうほどの近代都市が目に入ってきた。

青黒く輝く巨大なビル。天体観測器のようなものが上で上下左右に回っているタワー。しっかりと舗装され、白い文字が書かれた道路。

走っている車はタイヤがなく、30センチほど宙に浮いて走っている。

それは、地球で見た一番の都会が、まるで田舎のような風景に感じるほど。

「なにここ、すごい! こんな世界、藤子〇不二雄か、手塚治〇のマンガでしか見たことないわ」

空を見れば、人型のなにかが飛んでいる。

「なにあれ!?」

「鉄腕ニコルですね」とチョット。

「ニコル!? 鉄腕ニ、コ、ル? しかも鉄腕……」

なんか、国王に会うのが怖くなってきた。

門番右側が、慌てて二人を呼び止めた。

「よそ者が、勝手なことをしないでくれ!
わしらが殺される 」

「え、殺されるの? なにここ、そんな厳しいの?」

「この国は小さなミスでも罪になります。よそ者を止めずに入れてしまった場合、彼らには死刑に近い刑罰が待っています」とチョットが笑顔で言った。

「あんた、なに笑ってんの。性格恐ろしいわよ。でも、ここまで来たんだからあなたがちゃんと話してよ」

「しかし、国王に会って話すとおっしゃったのは光邦ですが」

「あなた、副大臣でしょ。代表勇者だけが戦う戦争なら、話しあったらなんとかなるかなって。落ち着いて話を聞いてもらうだけなら大丈夫でしょ」


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