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え、ちょっと待って、なんで私が勇者なの!?

第7章 ガシ国

元トリセンナシを出ると、左右の門番と、シツレ、マテが悔しさを露わに二人を無言で見送った。

チョットは頭を二、三度下げると、望まない結果に唇を噛み締め、小声で、

「申し訳ない」とだけ言うと、力なく歩く光邦の後を追った。

光邦は呆然としながら、フラフラと道なき道を進む。

そして、大きな岩の上に腰をおろすと、うつむいて頭を押さえた。

「帰りたい……もう……死ぬところなんて、見たくない」

そう嘆きながら、何度も顔をこする。

アーナルのメイクでなかったら、まだなんとか生きていたのかもしれない。

今日の夜も、明日も、美味しいものを食べられていたかもしれない。

その間に、なんとか無傷で戦争を終わらすことが出来たかもしれない。

光邦は、あのヒップの穴の温もりを股間に感じつつ、涙でメイクを落とした。

「あれは事故です。光邦のせいではありません」

チョットは慰めるも、光邦は頭を横に振る。

「私が光邦の顔だったら、あの方は剣を抜かなかったはず」

「いや、素顔であっても尻を攻撃した相手という意味では剣を抜いていたでしょうから、結果的に同じでしたよ」

「あの人のお尻は名器だったわ……だからこそ死んだのが悲しいのよ」

「いったい、なにで悲しんでいるのですか?」


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