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え、ちょっと待って、なんで私が勇者なの!?

第7章 ガシ国

のちに、光邦も完食したようで、

「ごちそうさまでした。美味しかったわぁぁ」

「……いや、たいした物はお出し出来なくて」

「充分よぉ~、屋根のある場所をお借りしたかっただけなのに、食事までいただけるなんて感謝しているわ。よかったらお尻も貸していただけないかしら?」

「断ります」キッパリと言った。

オイドは、光邦の顔をジッと見つめる。

「後で毛布をお貸しします。暖かくしてお休みください」

そう言うと、小屋の奥の物置から、大きな毛皮のような掛け毛布を取り出した。

「さぁ、これをお使いください」

チョットはそれを受け取り、

「なにからなにまで、ありがとうございます。では使わせていただきます」



翌朝。

起き上がった光邦は、立ち上がり、大きく背伸びをした。

その光邦の様子を見たオイドは、驚きの表情で固まっていた。

「な、な、な……なぜだ!」

「あらおはようございます、オイドさん」

「は……はぁぁぁっ!?」

オイドは頭を押さえる。

「どうかしましたか?」とチョットも起きる。

オイドは、顔面蒼白になりながら「なぜだ、なぜ生きてる?」と光邦に指をさす。

「え、どういうことよ」

「な、な、なぜ、毒を入れたのに、ピンピンしておるんだ?」

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