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え、ちょっと待って、なんで私が勇者なの!?

第7章 ガシ国

「え、どく!?」

光邦は口を押さえる。

オイドは、親指ほどの小瓶を出した。

「俺が作った毒が効かないって、どういうことだ……」

「あなた、ひょっとしてガシの勇者ですか?」

チョットは起き上がり、オイドにそう訊ねると、板間で体が痛くなったのか首を押さえていた。

「よくわかったな。いかにも、ガシ国代表勇者がこのオイドだ。チョットさん、あんたが連れて来たそいつがアーナルだってことは、お見通しだ。だから、ここで始末してやろうと思ったんだ」とオイドは、左手にはめた金の玉のブレスレットを見せた。

「なぜアーナルだとわかったんですか?」

「聞くところによると、アーナルはほとんど国の外を出歩いたことがないそうじゃないか。だとしたら、付き添いの者が必要となる。つまり、ターキー副大臣のチョットが連れているのは、アーナルに間違いない」

「いえ、うちのアーナルは狩猟免許を持ってまして、よく国の外へ出て獲物を捕ってきてましたよ」

まさかの情報ミス。

「なに!? じゃあ、こいつはなんだ?」

「アーナルはアーナルでも、アーナル違いなのよ、ねえ、あんた、解毒剤持ってないの?」

オイドは理解が出来なかった。

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