え、ちょっと待って、なんで私が勇者なの!?
第1章 ちょっと、待って!
西暦2035年9月。時はPM10時すぎ。
滑稽な物語は、大阪のとある場所にある、雑居ビルの中から始まる。
ビル入り口の左側に、下りの階段と、電球が3つほど切れている電飾の看板があった。
看板には『パブ黒い穴』と黄色い文字で描かれ、なぜか穴の字の右上が欠けて、本当に穴が空いていた。
チカチカと点滅する蛍光灯に照らされた階段を下りると、分厚そうな扉が見える。
そこが店の入り口なのだろう。
扉の横には紙が貼ってあり、時間となにやら名前のようなものが、ズラッと書いてある。
扉を開けると、きしむ音と同時に、激しい音色がガンガンと鼓膜に響いてくる。
店内は広く、カウンターと数えるほどのテーブル席。奥には半円形のステージがあり、部分的に肌を露出した女性ダンサーが、五人ほど艶めかしいダンスを踊っていた。中央のダンサーは金髪を振り乱し、激しく腰を振っていた。
客は三人。カウンター奥の店員がこちらに声をかけているが、音で掻き消されている。
音楽が終わると、ダンサーは横一列に並び、手を振りながら、「どうもありがとう~」と言って、バックのカーテンから去っていった。
ステージ裏。
6帖ほどの控室に、ダンサー五人が集まる。入れ替わりに、赤い蘭の花に見立てたドレスを着た女性が出ていった。
店の入り口の扉横にあった貼り紙は、ステージの出演者の名前と時間を書いたものだった。
滑稽な物語は、大阪のとある場所にある、雑居ビルの中から始まる。
ビル入り口の左側に、下りの階段と、電球が3つほど切れている電飾の看板があった。
看板には『パブ黒い穴』と黄色い文字で描かれ、なぜか穴の字の右上が欠けて、本当に穴が空いていた。
チカチカと点滅する蛍光灯に照らされた階段を下りると、分厚そうな扉が見える。
そこが店の入り口なのだろう。
扉の横には紙が貼ってあり、時間となにやら名前のようなものが、ズラッと書いてある。
扉を開けると、きしむ音と同時に、激しい音色がガンガンと鼓膜に響いてくる。
店内は広く、カウンターと数えるほどのテーブル席。奥には半円形のステージがあり、部分的に肌を露出した女性ダンサーが、五人ほど艶めかしいダンスを踊っていた。中央のダンサーは金髪を振り乱し、激しく腰を振っていた。
客は三人。カウンター奥の店員がこちらに声をかけているが、音で掻き消されている。
音楽が終わると、ダンサーは横一列に並び、手を振りながら、「どうもありがとう~」と言って、バックのカーテンから去っていった。
ステージ裏。
6帖ほどの控室に、ダンサー五人が集まる。入れ替わりに、赤い蘭の花に見立てたドレスを着た女性が出ていった。
店の入り口の扉横にあった貼り紙は、ステージの出演者の名前と時間を書いたものだった。