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え、ちょっと待って、なんで私が勇者なの!?

第9章 ナナミー国

光邦は自慢のツッコミを忘れ、驚くことしか出来なかった。

アーナルは光邦の胸ぐらを掴む。

「どういうことだ! お前、私となにか関係があるのか!」

「知らないわよっ、それに、あんたのその顔は素顔でしょ! 私はメイクして化けたらこうなるのよ!」

「それが問題なんだ! メイクして、どうして私と同じ顔になるんだっ!」

「だから知らないって!」

言い合う二人の間に、チョットが割って入る。

「辞めてください、アーナル様も勇者なのですから、落ち着いて下さい」

「違う、私に言わないでよ。アーナルはそっちよ。あんた、着るもので区別出来るでしょ」

「チョット、もう紛らわしいから早くこいつを地球に帰してやれよ」

アーナルは光邦の顔を今にも突かんくらいに、指差した。

チョットは申し訳なさに、自身のツルツルの頭を撫でる。

「今、私の宇宙船は修理中でございまして、それに国王様からこの光邦も連れて行き、アーナル様のお手伝いをさせろと言われまして……」

「手伝い? こいつになにが出来る?」

「ちょっとちょっと、アーナルちゃん……鼻に指入ってるわよ」

指は、第二関節まで入っていた。

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