え、ちょっと待って、なんで私が勇者なの!?
第3章 いざ王国へ……
「覚醒したら、意外といけるものね」とボリボリ音をたてながら、ワシャワシャ頬張る光邦。
『アーナル様も、女王ワシャワシャを頭からいってましたね』
「どうしましょ。帰ったらイナゴくらいなら生食いできそう」
『充分にお腹も満たされました。さあ、いきましょう、アーナル様』
「そうね」と言って歩こうとするが、この流れにすっかり慣れてしまった自分に違和感を感じる。
どうやら、命を奪われるようなことは、なさそうだ。だが、自分は勇者という扱いにされている。
チョットが言う国王に会い、その詳しい話を聞かなければならない。そこにいささかな不安と恐怖が残る。
しかも、なぜアーナルという源氏名で呼ばれるのか?
顔が似ていて、人違いならまだしも、アーナルまで同じなのだ。
「ん? そう言えばそうよ。私は、人違いで連れて来られてるのよね」
それをいくらチョットに説明しようにも、まったく聞く耳を持たない。
そもそも、なぜ自分はアーナルと名付けられたのだろう?
「アーナル壺菊」これが光邦の源氏名だ。
アーナルは誰かに名付けてもらった。壺菊は、後から自分が付けた。
「誰に付けてもらったんだっけ……」
大事なことを忘れてしまった。
歩いていくうちに、チョットが立ち止まり、数ある木のうちの一本を指差した。
『アーナル様、あの木に赤い色のプレートが貼ってあります。あのプレートの方向から1メートル先に猟師の罠があります。プレートを見かけたら、少し離れて歩いて下さい』
『アーナル様も、女王ワシャワシャを頭からいってましたね』
「どうしましょ。帰ったらイナゴくらいなら生食いできそう」
『充分にお腹も満たされました。さあ、いきましょう、アーナル様』
「そうね」と言って歩こうとするが、この流れにすっかり慣れてしまった自分に違和感を感じる。
どうやら、命を奪われるようなことは、なさそうだ。だが、自分は勇者という扱いにされている。
チョットが言う国王に会い、その詳しい話を聞かなければならない。そこにいささかな不安と恐怖が残る。
しかも、なぜアーナルという源氏名で呼ばれるのか?
顔が似ていて、人違いならまだしも、アーナルまで同じなのだ。
「ん? そう言えばそうよ。私は、人違いで連れて来られてるのよね」
それをいくらチョットに説明しようにも、まったく聞く耳を持たない。
そもそも、なぜ自分はアーナルと名付けられたのだろう?
「アーナル壺菊」これが光邦の源氏名だ。
アーナルは誰かに名付けてもらった。壺菊は、後から自分が付けた。
「誰に付けてもらったんだっけ……」
大事なことを忘れてしまった。
歩いていくうちに、チョットが立ち止まり、数ある木のうちの一本を指差した。
『アーナル様、あの木に赤い色のプレートが貼ってあります。あのプレートの方向から1メートル先に猟師の罠があります。プレートを見かけたら、少し離れて歩いて下さい』