
この夏、君に溺れた
第2章 設定と現実
「見たな。」
およそ教師とは思えない、動揺ぶり。
「見てません。」
「嘘つけ!!」
「見る前に、先生が取ったじゃないですか!!」
反論する私と、先生は睨めっこ。
高校生と睨み合うなんて、年甲斐もない。
「とにかくこの部屋にある物は、一切触るな。」
そう言われて、ようやく坐るスペースを見つけたけれど、目の前には煙草の山。
「先生、タバコ……」
「あっ、悪い。」
後ろから手を伸ばして、煙草が山積みにされている灰皿を持ち上げる。
フワッと香る大人の匂い。
おそらく香水だろう。
それが煙草の匂いと混じり合うことで、尚一層、大人の男性の匂いを醸し出していた。
「あった、あった。」
先生は雑誌の間から、一枚の用紙を取り出した。
「やっぱりだ。まだ出前間に合う。」
それは先生がいつも頼んでいる、出前のメニュー表らしい。
「何がいい?」
およそ教師とは思えない、動揺ぶり。
「見てません。」
「嘘つけ!!」
「見る前に、先生が取ったじゃないですか!!」
反論する私と、先生は睨めっこ。
高校生と睨み合うなんて、年甲斐もない。
「とにかくこの部屋にある物は、一切触るな。」
そう言われて、ようやく坐るスペースを見つけたけれど、目の前には煙草の山。
「先生、タバコ……」
「あっ、悪い。」
後ろから手を伸ばして、煙草が山積みにされている灰皿を持ち上げる。
フワッと香る大人の匂い。
おそらく香水だろう。
それが煙草の匂いと混じり合うことで、尚一層、大人の男性の匂いを醸し出していた。
「あった、あった。」
先生は雑誌の間から、一枚の用紙を取り出した。
「やっぱりだ。まだ出前間に合う。」
それは先生がいつも頼んでいる、出前のメニュー表らしい。
「何がいい?」
