
この夏、君に溺れた
第1章 再会は本屋で
店内の時計を見た。
13時を過ぎていて、お腹が空いている事に気づいた私は、もう家に帰ろうと、入口に体を向けた。
その時だった。
同じ本棚の奥に、ボザボサ髪の黒縁メガネの男性を発見した。
服装は白いTシャツに、緑色の短パン。
肌は日に焼け、髭も生えていた。
誰が見てもダサイ恰好のその男性に、私は見覚えがあった。
最も私の知っている姿は、爽やかにスーツを着こなす、好青年の方なのだが。
声をかけようか、正直迷った。
その男性と会ったのは、去年のことだし。
高校3年生になってからは、一度も会っていない。
私は目立つ人間ではないから、果たして覚えてくれているかも疑問だ。
それでも、体は動いた。
あの時、声をかければよかった。
そんな後悔だけは、したくなかった。
私はその男性の横に立ち、何も言わずに肩を、トントンと叩いた。
13時を過ぎていて、お腹が空いている事に気づいた私は、もう家に帰ろうと、入口に体を向けた。
その時だった。
同じ本棚の奥に、ボザボサ髪の黒縁メガネの男性を発見した。
服装は白いTシャツに、緑色の短パン。
肌は日に焼け、髭も生えていた。
誰が見てもダサイ恰好のその男性に、私は見覚えがあった。
最も私の知っている姿は、爽やかにスーツを着こなす、好青年の方なのだが。
声をかけようか、正直迷った。
その男性と会ったのは、去年のことだし。
高校3年生になってからは、一度も会っていない。
私は目立つ人間ではないから、果たして覚えてくれているかも疑問だ。
それでも、体は動いた。
あの時、声をかければよかった。
そんな後悔だけは、したくなかった。
私はその男性の横に立ち、何も言わずに肩を、トントンと叩いた。
