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分け合う体温

第4章 遊園地で

「……弟さんですよね。」

私の体から、力が抜けた。

「前に、由乃の……お姉さんと一緒に映っている写真、見せて貰いましたから。」


英吾は、知ってるんだ。

私達の本当の正体を。


「はい。そうです。」

理人は、しっかりした返事をした。

そうだよね。

弟である事は、紛れもない本当の事だもの。


「あっ……英吾は誰と遊園地に来たの?」

「親戚の子供。」

「そうなんだ。大変だね、子供の面倒見るの。」

何とか会話で場を和ませようとしたけれど、見つめ合っている理人と英吾を、解散させる事ができなかった。

「それじゃあ、横山さん。」

理人が私の手を引き、歩き出そうとした時だ。

「待って下さい。」

英吾が、呼び止めた。


「ちょっと、お聞きしたいんですけど。」

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