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会社での出来事

第2章 2

心の声が思わず口に出てしまったことに気づかず私はため息をつく。

「ん? 突破って? 俺、優子ちゃんの何を突破したらいいの? 」

後ろに不思議そうな顔で当の先輩が、立っていて私は軽く尻もちをつきそうになる。

「わっ!先輩!! いたの!」

敬語を忘れるくらいに驚いてる私を見て面白かったのか笑い出す彼。

「声かけようと思ったけど、考えごとしてたみたいだったし、でも、そんな驚くことかなぁ」

まさか、当の本人に、あなたでエッチな妄想をしてて処女貫通されたいです♥️なんて言えるわけが無い。私はどうやって誤魔化そうか真面目に悩んでいた。

一通り、笑い終わった先輩は優しい笑顔で話しかけてくる。

「最近、頑張ってくれてるのは嬉しいけど、あまり、無理するなよ? 何かあれば、すぐ相談してくれ? 金関係は無理だけど、他のことなら相談乗るぞ? 」

そんな言葉に私は甘えたくなるも、流石に理性が本能を叱りつける。処女卒業したいからと言って大好きな先輩にあんな醜態を晒せるのか。晒せるわけない。でも……。

頬に触れたい、手に触れたい、抱きつきたい、口付けされたい……。

焦がれる想いは封印してなきゃいけないのに、どうしても彼の唇を見つめてしまう。

この唇で、食事をして、奥様に愛を囁き、唇を合わせる。

彼の奥様は当たり前のことだけど、望めば粘膜同士の触れ合いが出来るのだ。

ゴクリ、口内に溜まってる涎を飲み込む。

「ご、ご心配、ありがとうございます! でも、大丈夫です! 平気、です! 」

あぁ、溶かされるほどに愛されたい。

蕩けるような愛撫をされて、暴力的に支配されて、余裕のない彼の表情を見たい。

壊れるくらいにキスをして、おかしくなるくらいに犯されたい。

そうじゃないと、私はこの感情だけで狂い壊れてしまう。

私はこれ以上彼の前にいると、思いの丈を吐き出して、更なる醜態を晒すことになると感じ、お辞儀をして彼の前から立ち去ろうとした。

でも……。

何故か彼は私の腕を掴んだのだ。

「嘘。俺、優子ちゃんの先輩、伊達にやってない。一番、目にかけてる後輩の困り事は俺が解決してあげたいもん。今の優子ちゃん、何かして欲しいのに俺がしてくれないって決めつけてる、ちゃんと、教えて? 俺はいつでも優子ちゃんの味方だよ? 」

優しい声、真剣な眼差し、柔らかい手と指の感覚、

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