扉を開けて AN
第8章 もう少しだけ
「ニノちゃん、お待たせ!遅くなってごめん!」
「あ・・・う、ううん・・」
背後から声をかけられてビクッとした
表情も強張ってしまったけど
まーくんは 額の汗をリストバンドで
ぐいっと拭ってたから 気づかなかったみたいだ
「ごめんね、行こ?」
「・・うん」
先生に見つからないように 裏門から出て
チャリに乗っけて貰って帰る道
いつもなら いろんなこと話しながら帰るのに
今日はまーくんがやけに無口だ
きっと先生に練習の事 注意されたんだろうな
俺にどういえばいいのか 考えてるのかな
俺の方も どうしよう、って考えてるうちに
もう家が見えて来た