扉を開けて AN
第8章 もう少しだけ
あぁ、もう着いちゃうよ
けど、このまま別れるのは嫌だ
聞いたら苦しくなるとわかっていても
元気のないまーくんの背中に
声をかけずにはいられなかった
「今日 来るの遅かったけど・・・
もしかして 先生に呼ばれたりしてたの?」
「あ・・・う~ん、ちょっとね。
アハッ、ほら、俺ドジだから よく𠮟られるんだよねぇ」
「・・・ホント?」
「え?」
「ホントはそんなんじゃなくて・・・
試合が近いのに 朝練も出ないし、帰りもさっさと帰る事
何か言われたんじゃないの?」