扉を開けて AN
第9章 嘘の理由
9-1
「こら 和、アンタもう足はすっかり治ってるくせに
まだまーくんに甘えて乗せて貰ってるの?」
丁度 玄関から出て来たらしく
ニノちゃんちのおばちゃんの声がした
突然聞こえて来た言葉に ニノちゃんがぎくりと固まる
え?
何?
俺はと言えば
その瞬間は 何が起こったのかわからないまま
ニノちゃんを見つめる事しか出来ず
その後 数秒遅れて今の言葉の意味が脳に届いた
モウアシハスッカリナオッテルクセニ?
もうあしはすっかりなおってるくせに?
もう足はすっかり治ってるくせに?
「え・・・?」
だって・・・
え?
どういう事?