扉を開けて AN
第10章 勇気を出せ
自己嫌悪に陥りながら一日うとうとしていた
漫画を読むでもゲームをするでもなく
こんな風に過ごすなんて珍しいけど
いくら熱があるとはいえ
学校をさぼって一日無駄に潰したという
罪悪感は拭えない
明日は たとえ熱が下がらなくても
学校に行くぞ、と決めて
英語の予習を始めた時
玄関先でのまーくんと母さんのやり取りが
かすかに聞こえて来た
まーくんが来てる!
忍び足でドアに近づき 音がしないように
こっそりと部屋のドアを開けると
2人の会話がしっかりと聞き取れるようになった