扉を開けて AN
第10章 勇気を出せ
俺たちが通った小学校は直線にして100mぐらい
朝に弱いまーくんは よく予鈴が鳴ってから
ダッシュして来てたほどの近い距離だ
校庭の隅に並ぶ遊具の方へ歩いて行ったまーくんが
半分埋まったタイヤに足を投げ出して座る
すぐ隣に座るのは 距離が近すぎて恥ずかしかったから
俺は1個空けたタイヤに同じように座った
まっすぐ前を向いていても
まーくんが優しい目で俺を見てるのがわかって
それだけで泣きそうになる
「話って?」
「うん・・・あの・・・」
緊張で喉が詰まる
上手く声が出せない
ここまで来てビビるな 俺
許してもらえなくても素直に謝ると決めただろ
心の中で何度も自分にゲキを飛ばして
俺はようやく重い口を開くことが出来た