扉を開けて AN
第11章 父として
「じゃあ、帰ろうか。ニノちゃん冷えたらまた熱が上がっちゃう」
「俺はもう大丈夫、まーくんに許してもらえたから
熱も下がると思う。明日からは一人で学校も行けるから」
「うん、・・・あの、あのさ。俺 来週の日曜日から
ウインターカップの予選が始まるんだけど」
「・・・うん、聞いた。大事な試合の前なのに
俺の為に練習不足になって ごめん・・・」
「俺 勝つから」
「・・・え?」
「ここで俺が負けちゃったらニノちゃん きっと自分を責めるだろ
俺 絶対勝つよ。少し位練習時間が少なくても そんなの関係ない
練習は時間じゃなくて内容が大切だから。それにさ」
「それに・・?」
「こう見えても 俺なかなか優秀な選手なの」
「ふふ・・・そうなんだ」
「そうだよ、知らなかった?」
「知ってた。そうだね、まーくんは全国でも
指折りの優秀な選手だ」