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君と奏でるラブソング

第1章 新入生に恋をした




 次の日──…

 1年生達は、楽器を持ってやってきた。龍一はベース。大輝と翔太はギター。バンドスコアも持ってきて、練習する気、やる気満々だ。どうやらやる曲も決めているよう。

 あたしは歌う曲を練習しつつ周りを見渡す。何故か龍一に目がとまる。ベースを弾く指、真剣な顔。龍一はボーカルもやるようで歌っている。その歌う声に聞きほれて、あたしは歌うことも忘れていた。

「中田先輩、歌、歌」

 龍一に突っ込まれる。

「あぁ、ごめんごめん」

「先輩、頼みますよ」

 龍一はニカッと笑う。龍一は、そう言うと自分のやる曲の練習に戻った。

 あたしの心臓はドキドキしっぱなし。何故かは──…わかるけどわからない。後輩になんて勘違いだよね。あたしはそう思うことにした。

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