テキストサイズ

君と奏でるラブソング

第1章 新入生に恋をした

 でも──…。

 日に日に胸がキュンとなるドキドキは、増していくばかりだったんだ。

 それを祥香に話すとそれは【恋】だと言われた。

 【恋】……何ヶ月振りに発しただろう、感じただろう。

 あたしは──…、

 この気持ちを【恋】だと認めた。だって、龍一の全てにこんなにドキドキしている。毎日会うの楽しみにしている。話せるだけで幸せ。もうこれは【恋】以外の言葉では表せられない。

 だけど──…、

 気持ちを確信したその矢先だった。週終わりの金曜日の部活帰りでのこと。

「こいつ彼女できたんすよ」

 翔太が龍一を指差し言う。心がざわつく。頬を赤らめる龍一。

「おめでとう」

 あたしは気持ちを抑えて、平静を装い龍一に言った。翔太が龍一をからかう。あたしも一緒になってからかう。心とはうらはらに笑顔で。翔太と龍一と分かれた後、あたしの目からは涙が滝のように大量に伝った。

 どうして──…。

 あたしが言えなかった気持ちを彼女は言えたの。


 どうして──…。

 龍一はOKしたの。あたしじゃないの。

 あの照れた顔を思い出すと苦しくて辛くて、いたたまれない気持ちになった。

 泣いて泣いて泣いた……。

 久しぶりの失恋。

 一人になると隠せないこの気持ち。

 土日があってよかった。月曜笑わなきゃ。

 あたしの短い恋は終わったんだ──…。本気で思ったよ。


エモアイコン:泣けたエモアイコン:キュンとしたエモアイコン:エロかったエモアイコン:驚いたエモアイコン:素敵!エモアイコン:面白いエモアイコン:共感したエモアイコン:なごんだエモアイコン:怖かった

ストーリーメニュー

TOPTOPへ