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イラクサの棘

第16章 アナタニチカヅキタイ



「潤、聞いてくれ。俺はおまえが好きだ。
潤、おまえが好きなんだ。
おまえに触れたい、いいか?」

「翔さんが……俺のこと……?
はぁ、ん、触って……ふぅ、あんっ…はぁ…んぁ」


唇をそっと重ねると潤の唇も俺を求めてくる。
キスの最中にも繰り返し愛を唱えてやると
下腹部を俺の下半身に押し付けてきた。
その仕草がいじらしく可愛くて
勃ったままの潤の陰茎を優しく握り込んでやろうと
したその時、


「やだぁ、うぁ…やぁダメっ…!」

もう出る寸前で苦しい筈なのに
腰を引いて逃げ出すのかと思ったら
しゃがみ込んでタオルで隠してる
俺の分身に手を伸ばしてきた。


「おいおいっどした?ちょっと待てよっ!」

「先に…翔さんが…やぁ…ひぃダメっ
俺…ごめ…なさ…っ…ヒクッ…っ…」


縁に腰を降ろさせて泣きじゃくる潤の身体を
きつく抱きしめてやる。
過呼吸気味がすこし落ち着いてくると、
クシュンとでるくしゃみ。
頬にキスをすると肩口に顔を埋めて
甘えるように擦り付けてくる。


「温もったら、出よう。俺らの部屋行くぞ。」

「…うん…」





まるで意思の無い人形みたいに
俺にされるがままに
着替えを終えて、髪まで乾かし終えた。
鏡越しで潤と視線が絡み合うと、
どこにでもキスを落としてやる。

背中、うなじ
首筋のほくろ
額に、瞼、髪、耳許

「ほら、潤立てる?」

無言のまま首を横に振り両腕を俺に向かって
伸ばしてくる。

「ん、おいで、落っこちるなよ。」

抱き抱えると、つんと唇を突き出して
甘えるようにキスをねだる仕草をしてきた。


「…ん…んんっ…っんふっ…ぁ…」

そっと舌を差し込むと情熱的に絡ませてくる。
ちゃんとさっきの続きをしてやらなきゃな

過去の恋愛でのトラウマのせいで
潤の中にセックスへの恐怖心と嫌悪感があるなら
まずはそれを和らげてやりたい。



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