
イラクサの棘
第16章 アナタニチカヅキタイ
翔さん…俺はやっぱりヘンだよ
だって
翔さんの事考えてるだけなのに
また身体が熱くなって勃ちあがってきてる。
翔さんの指先に触れた時の感覚
耳元で囁いてくれた息遣いを思い出すと
どうしよう…
カタチがまた、こんなになってくるんだ。
「翔さんっ…ごめん…なさ…」
これは翔さんの手
これは翔さんの指先
翔さんに握りしめて、擦り上げてもらったら
「…んん…んぁ…翔っさん…」
汚しちゃだめなのに
翔さんを俺なんかの欲望で汚したくない!
背徳感と、欲望が鬩ぎ合って
湯船に溶け出してる気がする。
「…翔さん…」
俺、もっとあなたに近づきたい
火照った身体
おさまらない欲望
いっそのこと、
冷水のシャワーでも浴びしまおうかと
思ったその時だった。
※ ※ ※
翔side
「おーい、潤湯かげんどうだ?」
「翔さん…助けて…っくるしいよ…」
風呂場に潤の姿は見えなくて露天風呂に向かった。
とりあえず30分以上の時間は過ぎたし
1人でナニをスルにしても1時間近くだと
のぼせちまう。
邪魔ならそっと出てやればいいしなんて
呑気に考えながら
露天風呂に出てみると
半泣き状態の潤が助けを求めてきた。
「おい、大丈夫か?潤?どうした?」
「翔さん…触って…お願い…
俺、自分で出来ない…くるしいよ…」
そそり立って
こんなにも爆破寸前なのに
今までずっと達することができなくて
1人で悶えていたのか?
「潤、ちゃんと俺を見ろ。」
「…ん、翔さん…ごめん…なさぁ…はあ…」
謝らせたい訳じゃない。
今から誰が潤のことを気持ち良くさせるのかを
ちゃんと理解させてやらなきゃ。
ごめんだとか、申し訳ないだとか
謝罪めいた気持ちなんて絶対に持たせない。
