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イラクサの棘

第25章 踏み出す一歩



「はぁぁ、でも翔さんって
気になったりしないのかな?」


溜め息とともに出る大きめな独り言。

俺ならきっと
付き合うって決めた相手が
いつまでも忘れられない過去の
恋人を引きずってたりしたら…
怒鳴りつけたり
大喧嘩になるだろうな。
ってか、そんな面倒くさい相手なら
最初から付き合いたいって思えない。



もやもやしてたってはじまらない。

これから先
翔さんと本気で付き合っていくって決めたなら
ちゃんと聞いてみたりしなきゃ。



「おかえり潤、寒くないか?」

「ううん、大丈夫だよ。
パソコン作業してるんだ?」

「まあな、いろいろあって
旅行の計画の立て直しやら、今後の修正を
とかをしてた。」

「フフ、ありがとう。
コーヒー持って来ようか?」

「いや、もう少しやってから
休憩にするから、
ありがとうな、気をつかってくれて。」

「ううん、俺のほうこそ
プランの修正してもらったりして
るんだもん。」


ほらね、
やっぱりなんにも訊ねてこないや…。
優しいんだよなぁ
でも、だから…訊ねてみたい
いいよね?




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