
イラクサの棘
第25章 踏み出す一歩
潤side
「向こうで、電話してくるね」
「おう、上着、羽織って行けよ。」
「うん、ありがとう。」
智からの着信履歴
ものすごい件数
翔さんが先生に連絡はしてくれてて
個展の訪問が遅れるって言ってくれたから
智にも、
きっと俺の体調不良が伝わってるんだろう。
今更話すことなんて…ないのに
智に会うのは先生からの預かり物を渡すだけ
それに、
俺にはもう翔さんがいるんだ。
俺の過去も全てを受け入れて俺がいいって
俺を好きだと
真っ直ぐ伝えてくれる人。
またバイブ音の振動
小さなため息をついて指先でタップする。
「……はい、うん…そう熱は下がったよ。
もう、大丈夫だから…」
「…もう、関係ないだろ、智に…
来週くらいになるかな…」
「場所?さあ…よくわかんない…
もう、切るから…」
心配そうな智の声と
数々の質問にイライラしてしまった。
半ば強引に切った通話。
またバイブ音が鳴るけど無視して
電源をOFFにしておく。
もう関係ないって思いながら
智の心配そうな声と、俺の名前を呼ぶ声に
妙にイラついてしまうのは
まだ何処かでこだわっているから?
「向こうで、電話してくるね」
「おう、上着、羽織って行けよ。」
「うん、ありがとう。」
智からの着信履歴
ものすごい件数
翔さんが先生に連絡はしてくれてて
個展の訪問が遅れるって言ってくれたから
智にも、
きっと俺の体調不良が伝わってるんだろう。
今更話すことなんて…ないのに
智に会うのは先生からの預かり物を渡すだけ
それに、
俺にはもう翔さんがいるんだ。
俺の過去も全てを受け入れて俺がいいって
俺を好きだと
真っ直ぐ伝えてくれる人。
またバイブ音の振動
小さなため息をついて指先でタップする。
「……はい、うん…そう熱は下がったよ。
もう、大丈夫だから…」
「…もう、関係ないだろ、智に…
来週くらいになるかな…」
「場所?さあ…よくわかんない…
もう、切るから…」
心配そうな智の声と
数々の質問にイライラしてしまった。
半ば強引に切った通話。
またバイブ音が鳴るけど無視して
電源をOFFにしておく。
もう関係ないって思いながら
智の心配そうな声と、俺の名前を呼ぶ声に
妙にイラついてしまうのは
まだ何処かでこだわっているから?
