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刑事とJK

第15章 徒然シゲ


シゲは少し斉藤の様子を見に行くことにした



向こうにばれないよう、こっそりとのぞき見する



…斉藤はもくもくと仕事に打ち込んでいた


シゲほどスピードはなかったが、着実にこなしている





「…なんか、悔しい…」



シゲは外に散歩に出かけることにした















ふらふらとさ迷い、公園に着いた

シゲはベンチに座った


…ゆうひちゃん、来るかなー…?



しかし待てども待てどもゆうひはやって来ない



先輩が連絡したのかな…しょうがないか…



帰ろうとしたとき、ゆうひがいることに気が付いた


ゆうひも驚いた顔をした




「ゆうひちゃん…!!」


『シゲ!!どうしてシゲがここに?』


「僕は…何となく。ゆうひちゃんは?」


先輩に会いに…?


『あたしはお墓参り』


「え…誰の…?」


ゆうひは歩きながら喋った


『シゲ、そういえば最近来てなかったもんね…
ここ、小犬の墓なんだ』


「小犬って…あの犬、死んじゃったの!?」


知らなかった…

あれだけ犬を大事にしていたゆうひを思うと言葉が出なくなる


『うん…でもね、斉藤がお墓つくってくれたんだ、手をどろどろにさせてさ…』

ゆうひは苦笑した



…先輩が…?


また、先輩が…?








どれもこれも…悔しい…



「ゆうひちゃん」


『何?』


「僕、明日もここに来るから、来てよ」



『…別にいいけど』


シゲは顔を喜ばせて、軽くバイバイを言い、刑事科の方に戻って行った



もちろん、斉藤のところではない

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