
刑事とJK
第17章 過去
「体中いてぇ…」
斉藤はテーブルの上でグダっとなった
「最近それしか言ってないじゃないか、斉藤」
藤野は割り箸を割り、うどんを啜った
「ありえねーよ、あの女…
何回組み手しても全然勝てねぇ…」
「あんな細いのにな」
ズルズルと音を立てる
「村上はすごいぞ?」
話に入って来たのは北田だった
「北田先輩!!」
藤野はひとつ席をずれる。そこに北田が座った
「村上は強いのはもちろんだが、その推理力や行動力は刑事科でもトップクラスだ」
「嘘だろぉ?
ぱっと見、スゲー平凡な女の子じゃねぇかよ…」
斉藤はさらに落ち込んだ
「女の子ってな…アイツ、あれでも26だぞ?」
「へぇ…すっごい童顔…」
「けっ、顔だけだ。中身はババアだあんな奴」
『誰がババアだ』
「ぎゃあ!!」
斉藤はテーブルから引きはがされた
そしてそこに村上は座った
『よ、藤野。北田はどんな感じ?』
「どもっす村上さん。先輩はいいかんじっす!!」
『だってさ、いい後輩でよかったな、北田♪』
「まあな。斉藤ー、お前の先輩はどんな感じだ?」
「ほんとババア…」
『もっぺん言ってみろカスチン』
肘をついて睨んでくる顔は恐ろしかった
その時、村上の携帯が鳴った
『はい、こちら村上ですー…
はい、はい…了解でっす』
村上は電話を切った
『行くよ斉藤』
「へ?」
『へ?じゃねーよ
事件だ事件。』
