
刑事とJK
第23章 ごめん
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斉藤は開いていた扉をコンコンと叩き、医療室に入った
「ゆうひ…?」
並んであるベッドをひとつひとつ見ていく
すると、ゆうひは1番奥にあるベッドで眠っていた
斉藤はパイプいすを持って来てその横に置き、腰掛けた
ゆうひの寝顔を見る
3kg体重が落ちた…
言われてみれば、前より少しヤツれた気がする
顔色も、いつもなら頬が薄ピンクに染まっているのに、今は土気色をしている
布団から腕が出ていたので、入れてやろうとしたら、手を握り返してきた
その力は、あまりにも弱々しかった
「―――…」
斉藤はゆうひの頭を撫でた
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それから3日ほどが過ぎた
『じゃーん!!
あたし完全復活~!!』
ゆうひは斉藤のいるいつもの仕事部屋に飛び込んで来た
「…おう」
『何さ、そのうっすい反応はぁ?
もっと喜んでよ』
「いや、だって…、えらく突然だったからよ…」
ゆうひはこの3日間はずっと刑事科のほうに泊まっていた
充分な休養と、精神的なケアのために、津森がずっと面倒を見てくれたのだった
『突然元気になったらいけませんかねー…?』
昨日まで、今にも死にそうな状態だったじゃねぇか…
「あ、ゆうひちゃん!!
もう大丈夫なの!?」
シゲが部屋に入ってきた
『うん、もう元気!!』
「よかったね~、僕も嬉しいよ!!」
ゆうひは斉藤を見た
『シゲはこんなに喜んでくれるのになぁ~…』
「…、よかったよかった」
『心がこもってないじゃん!!』
「るっせぇなー、こっちは今仕事中なんだよ」
ゆうひはスネて部屋から出ていった
