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刑事とJK

第29章 父の壁



―――――――――――



「あっつー…」


斉藤は刑事科の扉を開けた


「あ、先輩、おはようございますー!!」


「おう」

と流して仕事部屋に向かう


「先輩が遅刻だなんて、珍しいっすね、なんかあったんすか?」


斉藤はピタッと足を止めた



「……なんも、ねぇ」



斉藤は仕事部屋に入って行った



「あれは何かあったな」

と、シゲの隣にやって来たのは吉川だった



「何があったんでしょうね?」


「そんなもん、女に決まってんだろ、女ぁ」


吉川はシゲに肩を組んできた


「女って…ゆうひちゃんっすか?」


「それ以外何がある?」



「…ないっすね」




二人はくっくっと笑った




―――――――――――





PLLLLL…PLL ピッ



「はいもしもし…ってなんだ、てめぇかよ」


《てめぇだなんてひどいわ~、せっかく愛しのお姉様が電話してあげたのに~》


斉藤に電話してきたのは、姉の真理子だった



「なんか用か?」



《うふーん♪
実はねー…》








……








「…わかった」



斉藤は電話を切った



そこへシゲが入って来た


「おい、シゲ」


「はい!!」


「明日はちょっと仕事抜けるわ、すまん」


「ゆうひちゃんとデートですか?」


「違うわ!!!」



斉藤はガンッと机を蹴った




…それなら、いいんだけどよ…


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