
刑事とJK
第29章 父の壁
斉藤はずかずかと来た廊下を戻る
真理子は話し掛けてきた
「なんだったの?」
「くっだらねぇ話だった」
「そう…」
真理子は心配した顔をした
「真理子」
「ん?」
「お前がこの家継いでやれよ」
真理子は驚いた
「あたしなんて無理よ無理…!!女だもん…」
「今の世の中、男女平等参画社会なんだよ、ばーか」
斉藤は舌を出した
「ふふ♪
さすが、言うことが違うね(笑)」
などと喋っていると、斉藤の周りにゾクゾクと黒スーツの男たちが集まってきた
「わっ、何あんたら…」
真理子は怯えた
男たちはぐるりと斉藤を囲む
「…ケンカ売ってんのか?」
「正貴様を必ずお見合いさせろ、との、源十郎様からの命令でございます」
男たちは斉藤の腕を掴み、連れていった
「な、何すんだてめぇら…!!??」
「正貴…!!」
斉藤がポイッとほうり込まれた部屋は、質素なところだった
「いってぇ…、何すんだあいつら…」
襖を開けようとすると、声が聞こえた
「斉藤…正貴さん?」
斉藤は振り向いた
部屋の隅に、華やかな着物を身に纏った女が座っていたのだ
「…誰だあんた?」
女は名乗った
「花宝院千花(カホウイン センカ)と申します」
「…誰だ?」
「正貴さんとお会いするのは今日が初めてでございます」
千花は手をついて軽くお辞儀をした
「…で?」
「わたくし、正貴さんのもとへ嫁がせていただきます所以にございます」
「は?」
はああああーーーーー!!!!?????
