
刑事とJK
第29章 父の壁
おい、もう見合いとかいう問題じゃなくなってんじゃねーか!!!
嫁がせていただきます所以にございますだと!!??
ふざけやがって!!!!!
斉藤は千花の前にドカッと座った
「花宝院ってぇのは、なんだ?」
「名字でございます」
「んなこたぁわかってる、どういった家系なんだ?」
千花は微笑を漏らした
「まぁ、それは…
わたくしどもの家系は、代々斉藤家とは仲良くさせていただいております」
「なんで?」
「斉藤家と花宝院家の第一代頭首は、もともとご兄弟でいらっしゃいました。
源十郎様はその子孫で第四代目、わたくしの父はもう第六代目にございます」
…んじゃそりゃ…
んな話、耳の端をかすったこともねぇ…
生まれたときから、まぁ人よりはでかい家に住んでるな、とは思ってた
だが、第何代目とか、花宝院とか、一切聞いたことがねぇ!!!
「斉藤家の頭首になれば、正貴さんは第五代目でございますね。
わたくしめはもともと、正貴さんの恥にならないような奥方になるよう、幼き頃より教養を身につけて参りました」
「…なっ、…幼き頃…?」
どんなプロジェクトだ…
今の世の中、そんな結婚話がまだあったのかよ!!
「ちなみにあんた…歳いくつ?」
「25にございます」
千花は少し首を傾げて言った
すでに決まっていた男のもとへ嫁ぐため、子供の頃から教養を身につけいた
とだけあって、仕草のひとつひとつが優美である
顔は極めて美しいわけではなかったが、どこか人を和ませるような、可愛らしい顔立ちだ
「わりぃが、オレは結婚なんてしねぇ」
「それは無理な話にございます」
「は?」
「この婚約はわたくしや正貴様が生まれる前から決まっていたことなのです。
お家の宿命には逆らえません
、それに…」
千花は斉藤の側に寄り、斉藤の手にそっと触れた
「わたくし自身、正貴さんのことはお慕い申しております…///」
「き、今日会ったばっかりなんじゃねぇのかよ!?」
「そうですが…正貴さんがわたくしの夫となるのかと思うと…///」
千花はそのきれいな白い肌を赤く染めた
