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刑事とJK

第35章 VS



「ぷは~、助かりましたよ藤野さん」


シゲは斉藤を離した


「…面会って、誰だ?」



「そんな奴いないよ、お前らが困ってそうだから助けてやったんだ」


藤野は親指をグッと立てた


シゲもそれに反応してグッドサインを作る




「…にしても、何だったんだあいつら?」



「さぁな…、この部屋を渡せとかぬかしてきやがった」



斉藤はイスにドカッと座った



「うっとしいからじゃないの?」


そう言って、吉川が話に入って来た



「うっとしい?
斉藤たちは刑事科でもトップクラスの働きっぷりじゃないか」


「だからさ、きっとそれがうっとしいんだって。
藤野みたいに職位が上だと何も文句言えないけど、斉藤たちの位はまだまだ下だぜ?」



「ヒヨッコのくせに生意気な~って感じっすか?」



「たぶんな。
○△連続殺人事件みたいな重大事件も、こんな下っ端の単独捜査で解決とあっちゃあ、上の面目丸つぶれだからな」



吉川は腕を組んで壁にもたれかかった



「だから横取りしたのか…」



シゲも机に腰を下ろした



「徹底的に斉藤たちを追い出そうとしてるな」


藤野はため息をつく



「どうするんすか、先輩?」



「……」



斉藤は黙ったままだ



「とりあえず…あいつらに目を付けられるなんて、お疲れさん。がんばれ」


吉川はそう言って部屋を出ていった




「ほんとどうするんだ、斉藤?」




「…裏を掴んでやんよ」




「裏?」




「あんな世間体しか考えてねぇ奴らには、たいてい裏があんだよ。
昔ちょこっと耳に入れたこともあるしな…」



斉藤はゆっくりと歩いて、外へ出ていった




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