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刑事とJK

第35章 VS



斉藤は口を開いた



「勝手なことばっかしてんじゃねぇ…」



斉藤は、怒っていた…



『ごめん…』



「ごめんじゃねぇんだよ…
オレは関わんなっつったはずだ」



『…ごめん…』




「まだ、早く気付けてマシだったけどな…
あと少し遅かったら、何されてたかわかんなかったんだぞ?」



『…ごめん…』




「いくらオレが守ろうと思っても、自分から危険に首突っ込もうとするお前を、毎回毎回助けられるわけねぇだろ!!!!」



『…ごめ…』




ゆうひの顔を涙がこぼれ落ちた




斉藤は掴んでいた手を離した



チッと舌打ちして、頭を掻いた



ゆうひは眉を下げ、しかし顔は歪めずに泣いた



その左頬は赤く赤くなっている






「…
お前、顔…」



斉藤はゆうひの頬に触れた



ピリッと痛み、体をびくつかせた







「…腫れてんじゃねぇかよ…」



『…ごめん』



ひたすらごめんと言い続けるゆうひ…



いつもみたいに甘えようとは決してしなかった




『…ごめん…』




「…もういいって…」




『…ごめん…』





「もう言うな…」






『…ごめ…』



「言うなっつってんだろ馬鹿野郎!!!」



斉藤はゆうひを抱きしめた



強く、痛いほど抱きしめた





斉藤の体は震えていた




「どんだけ…どんだけ心配させりゃ気が済むんだよオメェは…」



『…ごめん
ごめんねぇ…斉藤…、ごめんなさいぃ…』





ゆうひも斉藤を抱きしめた




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