
刑事とJK
第37章 一言だけちょうだい
「ねぇ、斉藤…」
「あ?」
「あたしに…何か言って…」
「何か?」
斉藤は悩み出した
「…また、怪我治してくれよ」
津森は目を開いた
「まだ怪我する予定があるの?」
「だってよぉ…」
津森は苦笑した
見つけた…
あたしの、あなたの中の居場所
それが、あたしの…
居場所なのね
「任せなさいよ
あなたがどれだけ怪我しようと、死にかけようと
あたしが全部治してあげるわ」
「マジで助かる」
「当たり前よ」
ああ、今のあたしの心はなんて軽いんだろう
すべての錘が取っ払われたようよ
ねぇ、斉藤…
あたしは充分よ
あなたの優しさに触れることができて、すごく幸せよ?
もうほら、あたしが全部治してあげるから
好きなだけ、怪我しておいで
あたしはずっと、ここにいるから――――
