
刑事とJK
第41章 冬のシゲの春
シゲはおみくじを細く折りたたみ、木の枝に結ぼうと手を伸ばした
その瞬間、横から伸びてきたもう一本の手と触れ合った
「あっ!!」
「あっ…」
シゲは手を引っ込め、そのもう一本の手も引っ込んだ
「す、すいませ…」
シゲが謝ろうと振り向くと、そこには着物姿の若い女がいた
「すいませんっ…///」
「いいえ、わたくしこそ…申し訳ございません」
シゲは、うっかり落としてしまったおみくじを拾った
「はは、僕大凶だったんですよ…笑えますね」
「いいえ、笑うなど…
わたくしも大凶でございましたから」
女はクスクスと笑って、おみくじを見せた
「…ほんとだ
なんかしょげませんか?大凶って」
「わたくしは、励みになります。
気を抜かずに頑張れる気がしますので」
「へ、へーえ…」
そんな話をしている間に、藤野たちが来た
「おい嘉山、いつまで結べずにいるんだー?」
「いや、別に結べないわけじゃないっすよ!!」
その時、女の表情が変わった
「ま…正貴さん!!!」
「へ?」
斉藤も驚いて、女の顔をよく見た
「お前、花宝院…!!!」
「はい、千花にございます!!
こんなところでお会い出来るなんて…」
千花は斉藤にヒシッと抱き着いた
「千花は…嬉しゅうございます…///」
「お、おい、ちょっと待て…」
斉藤は慌てた
それを黙って見ていられなかったのは、もちろんゆうひであった
