
刑事とJK
第6章 小犬
「…どっか、屋根のある場所に行こう」
オレは横幅の広い、大きな滑り台の下へとゆうひを促した
ゆうひはおぼつかない足取りで歩いてくれた
滑り台の下に座り込む
『なんで…?』
か細い声でゆうひは言った
「どうした?」
『なんで昨日…来てくれなかったの?』
なんとか聞き取れるくらいの声量だったが、その意味がイマイチわからなかった
『きっとエアガンで…撃たれたんだよ、小犬は…
逃げても逃げても、追い立てられて…たくさん…撃たれたんだよ…人の遊びで…的に…されてぇ…』
ゆうひは泣きながら続ける
『どんだけ斉藤に…いてほしかったと思ってんの…?
弱いもんを助けるのが…あんたらでしょ…?』
「…ごめん」
ゆうひは首を横に降った
『違う…ごめん、なんでもない…あの時はあたしがなんとかしなきゃいけなかったんだ…』
ゆうひは泣き止んだ
でもその目は、後悔と怒りで澱んでいた
