
刑事とJK
第6章 小犬
「…埋めてやろう」
斉藤は小犬のほうへ歩いて行った
ゆうひも後を着いていく
斉藤は小犬を抱え、辺りを見回した
「あの辺がいいか」
ぶらんこの奥の茂みに入っていくと、斉藤は小犬を下ろし、素手で地面を掘り出した
『爪が…割れちゃうよ?』
ゆうひは心配そうに斉藤を見つめる
「雨で土は柔らかくなってるからな、平気だ」
そう言って一心に掘り進める
『…あたしも…』
ゆうひも一緒に地面を掘ろうと手を伸ばした
その手を斉藤は止めた
「やめろやめろ、せっかくきれいな手ぇしてんだから」
『でも…』
「いいから、ちょっと待ってろ」
ゆうひはシュンとした
しかし、走って傘を取りに行き、それを斉藤の上にさしてやった
突然雨が当たらなくなったので、ふと上を見上げると
ゆうひは笑っていた
「おい、オレはいいから自分にさしとけって」
斉藤は傘をぐっと押し返す
『じゃあこうする…』
ゆうひは足を斉藤の背中にぴったり付けて、二人で傘に入った
「…好きにしろ///」
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