
刑事とJK
第6章 小犬
斉藤はとりあえず上だけ脱ぎ、タオルで拭けるだけ拭いた
――――小犬が死んで、それでもまだあいつは公園に来るんだろうか…
もしかしたら、あいつと会うことは…もうないかもしれない…
あいつがまずオレの家を訪ねることなんてない…
そんでオレはあいつの家を知らねぇから…
「なんだオレ…会いたいのかよ…、気色わりぃ!!!」
タオルを床に投げつける
「…先輩?」
シゲは買い出しから帰ってきていた
今の、見られちまった…
斉藤は平静を装った
「おぅ、シゲご苦労」
服を受け取り、着替えはじめる
「先輩っていい体つきしてますねぇ…」
シゲはまじまじと見てきた
「このど変態が。」
「いやいやっ、そういう意味じゃないんですよ!!
なんか、筋肉の付き方とか羨ましくって…」
「はぁ?」
「僕、鍛えても鍛えても細いままなんすよ…」
言われてみると、確かに細身ではある
「シゲ…」
「はい?」
「人間は外見じゃねぇ、中身だ」
「せ、先輩…、一生ついていきます!!」
「一生はキショい」
「ひどい!!」
