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刑事とJK

第9章 看病


『それってどういう…///』


「お前はなんか、根が暗いからな(笑)
知らねぇ間に首でも吊ってたら困るし!!(笑)
刑事の仕事増やされたらたまんねぇよ(笑)(笑)(笑)」


『根暗じゃねーし!!
何なの、そんな理由で!?
ほんとうざい!!』


ゆうひは壁を思い切り叩いた

その衝撃で部屋が少し揺れるほど


「…お前はまだ18だろ?
これからもっといろんなこと知って、経験しなきゃダメだ。
生きてる理由がわかんねぇなんて言うな」



『だってあたしはお父さんもお母さんも死んじゃったんだよ!?友達も先生もみんな大っ嫌いだし、みんなあたしのことが嫌いなんだよ!!
もう小犬しかあたしにはいなかったに…全部なくなっちゃった…
どうしてあたしばっかりこんな目に遭うのよぉ…!!』


ゆうひは斉藤の胸を叩いて、そのままうずくまった

傷にその反動が響いたがそんなことは気にせずに、ゆうひの震える肩にそっと手を置いた


「だからオレが必要としてやるっつってんだ」



『……』



「それじゃ足りねぇか?不満足か?」




ゆうひは小さく首を横に振った



「だろ?それにな…」


斉藤はゆうひを引き離し、目を見て言った



「お前の両親や小犬はもう仕方がねぇ、だけどな、学校の奴らが全員一人ずつ、お前に"嫌い"っつったのか?」



ゆうひはもう一度首を横に振った




斉藤は笑った




「絶対お前は生きなきゃだめだ。それにほら、津森はまた遊びにこいって言ってただろ?
シゲなんて多分お前に惚れてんぞ?」



『……る…』



「ん?」



『あたし…もっと生きる…だから、必要として』



「さっきからそう言ってんだろ?」




ゆうひは笑った



今までで一番、いい笑顔だった










『ありがとう。』




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