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【リレー小説】ルイーダの酒場

第23章 ぱへをやるぞ!

「そんなの、『ぱへ』が大事に決まってるだろ。そんなに大事な王様なら……」

「やめろっ、ムト! それを選ぶなっ! 兵士達ではどうにもならないっつってるから、お前(勇者)に助けを求めてきたんだろっ! だいたい原因は、ラナルータを唱えたお前じゃねぇか!」

パームはムトの目を覚まさせようと必死になった。

「だって、だって……どうしても、ぱへがしたかったんだもーん……うわぁーんっ!」

子供みたいに泣き出す女バージョンのムトが、あまりに可愛くて。激おこのパームだけでなく、仲間達も、助けを求めにきた兵士も、みんなムトの頭を撫でたくなって、ヨシヨシしだした。

ムトの頭をなでなでしながら、兵士は申し訳なさそうにボソッと語りだした。

「勇者様がそんなにぱへにご執心だったとは、思いもよりませんでした。
我がアリアハンにも、選ばれたものだけが利用できる王立ぱへリゾートがございますが、リゾートの鍵をお持ちの国王様がさらわれていますので、現在は閉鎖中なんです。
国王様が無事にお戻りになられれば喜んで、ぱリパ(ぱへリゾートパスポート)を発行してくださるでしょうけれど、この際、仕方ありません。
どこぞの星の光邦様をあたってみましょう。
あ、盗賊ムトには、すみやかに出頭するようにお伝えください」

兵士が宿屋から出ていこうと扉に手をかける前に、涙をぬぐったムトは言い放った。

「俺は勇者だぞ? 『ぱへ』なんかよりも、王様の命の方が大事に決まってんだろ!
よしっ。みんな、助けに行くぞ!」


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