テキストサイズ

【リレー小説】ルイーダの酒場

第25章 家族の絆

「ぐっ。貴様ら、無事にこの城から出られるとは思うなよ」

デスピサロは、ゆっくりと立ち上がった。

その腹の口内では、真っ赤なクランチがあめ玉のようにゴロゴロと転がっている。

「え? あの口に味覚はないのか?」

パームの発言に、デスピサロは怪訝な顔をする。

「なにを言ってるんだ?」

と、次第に自らの異変に気付きだした。

「?」

「ぐえっ」

「熱っぢい! が、が、辛辛辛ーっ!」

のたうちまわり、脂汗を垂れ流しだしたデスピサロは、パームたちをにらみつけて唸った。

「き、貴様ら、俺のチャームポイント(第二の顔)にいったい何をしたー!?」

バカばっかりとは思ったが、こいつもバカだったか。
と、ヒロは思った。

「ぐ、ぐぐぐ……」

悶えるデスピサロが変形を始める。

「まだ変わるのか?」

敵が止まっている今が、攻撃のチャンス!
だが、攻撃すると、クランチにも当たるかもしれない。

パームたちが考えてあぐねていると、デスピサロが奇妙に叫びだした。

「な、何を? これは、俺の体だ! やめろ! やめろと言ってるだろーが!」

戸惑うパームたちだったが、急に『たたかう』コマンドが消えてしまった。

┏━コマンド━┓
┃▶️話す
┃ はにかむ
┃ 逃げる
┗━━━━━━┛

パームは『はにかむ』に心ひかれながらも、渋々『話す』を選択した。



ストーリーメニュー

TOPTOPへ