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三匹の悪魔と従者たち

第3章 ジン × ルナとアリス



物々しい王の間は来客があった時に『それなりに悪魔っぽく』見れる造りにしてあるが、王子それぞれの自室などは、清潔でそこそこ豪華なホテルの一室といった居住まいだ。


「正直おれ、野心は無いんだよね」


王子の中でも奥まった場所にある自分の部屋に戻ったジンは独り言を言った。

正確には今この場には三人いるのだから独り言というのは可笑しいが、少なくとも性交の最中に相手に話しかける内容ではない。


「あぁんっっ」


当然それに対する返答が得られるわけでもない。

現在クイーンサイズのベッドの上で、あられもない肢体を晒しているのは、彼のお気に入りの性奴隷であるアリスとルナである。

気に入り、というとこれも多少語弊がある。


それなりの歳になると、側近の一人として王子たちには魔族の女性が与えられるのが風習だからだ。

それがジンの場合はルナであった。
魔族らしく性欲旺盛で美しいルナに対し、ジンは文句があったわけではない。

時々つまみ食いはすれども、彼はルナ以外、女性を常に傍に置くことは良しとしなかった。
従順でいて賢く───────けれども、本来プライドの高い彼女の機嫌が悪くなるようなことはしたくなかったからである。



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